記憶喪失しま(エナガ)

乙女ゲームの感想とか色々

Under The Moon 〜Crescent〜 感想

※ネタバレあり

🔞版は未プレイ

 

私は2010年で時が止まっているので、UTM移植版が発売したの2009年か~結構最近だな~と思っていたけど、よく考えたら別に最近じゃなかった。
時の流れについていけてなくて怖。


■シナリオ構成

共通ルート

個別
(純愛or愛憎)

エンディングA~F(隠しのみA~C)

共通ルート中の選択肢で、誰のルートに入るか&純愛or愛憎ルートが確定します。

攻略に直接関係ない選択肢でも、細かくシナリオ分岐してて感動。
攻略する上で通らなくても大丈夫な選択肢なのですが、最初の選択肢で双子のどちらかを選択し、二つ目の選択肢で最初に選んでいない方の双子を選ぶと、シナリオ差分があったの、本当に細かいと思いました。


■システム

トップ画面の【つづきから】でセーブデータをロードできるいつものやつと思っていたら、セーブして終了して、次にプレイする時に【つづきから】を選ぶと、どのデータをロードするのか選ぶ画面もなく、いきなり前回の続きから始まるので、ポケモンみたいにセーブデータがひとつしかないタイプの乙女ゲーなのかと思って最初はビビっていました。

エンディングの数が多めなのに、このポケモン方式のセーブデータで戦えるんか……?と不安すぎたのですが、検索しても私と同じ不安を抱えている人が見つからなかったので、ここで初めて説明書を読んだら、クイックセーブ&ロードが他の乙女ゲーのセーブ&ロードに当たると分かって、本当に安心しました……。
セーブデータひとつで戦うことにならなくて本当に良かった……。

選択肢スキップは無いけど、既読スキップが爆速なので、エンド回収はサクサクです。

おまけにイベント回想があるのですが、たぶんみんなが想像している、スチルのシーンとかイベントひとつひとつを再生するやつではなく、攻略キャラそれぞれの部屋に行って一緒にアルバム(スチル)を見ながら、あの時はこうだったね~と喋るタイプだったので若干びびった。
でも、こういう、攻略キャラと一緒に思い出を振り返るみたいなの好きです。


■主人公

アーシェ
魔王の娘。
めっっっっちゃ美少女👸ということがキャラ紹介に書いてあるくらいの美少女。フルボイスです。
みんなに大事にされてきた箱入り娘+権力者の娘なので、世間知らずで無意識で他の人を下に見ているところがあります。
そういうところは好き嫌いが分かれるだろうなとは思いますが、人外感が出てて良かった。
言動が?????な時もありますが、それも箱入り人外娘だからと考えると納得できるし、主人公のどこを好きになったんですか……?みたいな攻略キャラも、でもアーシェはめっちゃ美少女だからな……で納得できるので、この設定はUTMの主人公として大正解すぎた。
ただ、アーシェのモノローグの
【ぷるんって甘くてあったかいゼリーが心の中で溶けて、体中をぽかぽかにしてる】
は、ちょっと笑った。


■キャラ別感想(プレイ順)

・カイル
アーシェ付きの使い魔🐈‍⬛
純愛ルートでは常に
🐈‍⬛「姫様、姫様、姫様~♡」
👸「カイル、カイル、カイル~♡」
という感じなのですが、愛憎ルートでは、カイルに精神的DVを受けて依存していくアーシェと、そんな状態になったアーシェに優越感を覚えるカイル……という闇の関係で、振れ幅がでかすぎて笑った。

愛憎ルートでは、カイルが「姫様は私がいないと何もできないんですから」と何度も言って刷り込みしてきたり、姫様は自分以外の人には嫌われていると定期的に言って、アーシェには自分しかいないと思い込ませていきます。
アーシェが自分の気に入らない行動をしたら秒で不機嫌になって、それに気付いたアーシェがすぐに、ごめんなさい捨てないで……してしまい、これの繰り返しでどんどんアーシェがカイルに依存していくのがリアルにDVで依存状態になっていく過程みたいでヤバすぎた。
アーシェも世間を知らないお姫さまなので、今まで自分と一緒にいてくれた人を失いたくない(今後自分が生活に困るから)という気持ちが強く、人間界で唯一頼れる存在であると思っているカイルに気付かないうちに依存していく過程が丁寧でした。


・瀬名
私は各キャラ基本的に愛憎(B→A)→純愛(E→D)→愛憎(C)→純愛(F)の順番でプレイしたのですが、瀬名愛憎ルートは愛憎かと言われると分かるようで分からないような?と思っていたのですが、その後、純愛ルートをプレイすると、純愛ルートと愛憎ルートが綺麗に対比になっていて、なんかすごい納得しました。
瀬名の純粋な愛を知って、初めて気付く憎しみ……。

自然な流れで瀬名に荷物を持たせようとして瀬名に苛つかれているアーシェを見た時は、もうこのカプ駄目かもしれないなと思ったのですが、色々あって、アーシェのために距離を置こうとした瀬名に対してのアーシェのモノローグ
【瀬名と離れて幸せになるのなら、瀬名と一緒に不幸になる方がずっといい】
が好きすぎた……。
めちゃめちゃ特大の愛を感じました……。


・セイジュ
共通ルート1つ目のセイジュ寄りの選択肢から既に飛ばしまくっててウケた。
アーシェがあげた花を永遠にしたいからと、花びらをちぎりだした時は押し花にせえよ……としか思えなかったし、海に傘を投げ入れた時は不法投棄すなと思ってたけど、こじらせすぎて自ら可哀想な感じになりにいってるところが好きでした。

セイジュは少女漫画とかの当て馬感が強くて、この作品が乙女ゲームじゃなかったら絶対にアーシェと結ばれることはなかったと思うので、乙女ゲーで良かったねセイジュ……。
このルートでは場面によって、アーシェがセイジュのことを可愛いと思っていて、他ルートプレイ中には感じなかったアーシェの姉感や母性を感じました。


・レニ
これが乙女ゲームじゃなかったら、アーシェにはレニしかいなかったんだろうなと思ったら、レニルート自体は良いのにレニへの謎の憎しみが沸き上がってくるの何????
愛と憎しみはいつだって隣り合わせ(by.UTM)ってこと?

UTMは闇深だと覚悟していたのですが、ここまでプレイしてきた時点では思っていたほどの闇はないなと油断していたら、レニのエンドEがヤバすぎて笑った(笑えない)……。
これは年齢制限かかる。
お年寄りだったらショックで倒れてた。

セイジュルートで意味ありげだったのに特に何もなかったレニとのシナリオがここで回収されたの良かった。


・???
勝手に見た目のイメージで俺様系なのかと思っていたら、優しいお兄さん系で良かったです!
愛憎ルートでも突然キレたりしないので安心してプレイできました。
安定して優しくて安心感すごい。
アーシェもなんか妹感出てる。
この人とのスチルのアーシェ、笑顔が多くて幸せを感じました。

めちゃ良い人(?)だけど、アーシェと並ぶと犯罪臭がする見た目なので、勝手に気まずく思っていました。笑
途中から、読んだこともないのにゼロの使い魔のことしか考えられなくなったのは困った。
このルートのセイジュが小物っぽくて、ちょっと笑った。


・隠し
たぶんヒイロノカケラの鴉取駿の親戚。

声が小さすぎて、音声を最大にしても、アーシェの声はヤバいほど大きくなるけど、隠しの声は聞き取れない状態でつらかった。笑
隠しのルートはめちゃめちゃ短いですが、さすが🔞の移植という感じのエンディングがあって、ここにきて最大のエロを感じました。


■まとめ

愛と憎しみは隣り合わせって教えてくれるゲーム。
愛憎ルートでは一部パワハラ上司みたいになるキャラもいてしんどいけど、根底には愛があるので乗り越えられる……って思ってたけど、もしかしたらこれが彼氏のDVを受け入れてしまう彼女の心境なのかもしれない。

私のプレイ時間は20時間程度。
結構サクサクプレイできて、手軽に愛と憎しみを浴びれて、ハーレムエンドもあるので、PS2が生きてる人で愛憎というワードに惹かれる人にはおすすめ。
でも、元が🔞なだけあって、テーマ的にも🔞版の方が合ってるシーンが複数あるので🔞版の方が良いのかもとも思います。
私は🔞版は未プレイですが、PS2版でここに🔞シーンがあったんだろうなと感じる場面が少なく、🔞に突入したであろうシーンもカットして不自然な繋ぎとかではなく、綺麗に別のイベントに差し替えられてるっぽくて、シナリオが自然だったのが良かったです。

コンプスチルが、いかがわしいやつと、いかがわしくないやつの2枚あったのも良かった!

🔞版もPS2版もOP歌詞がUTM!!!!って感じで、両方天才的に良すぎる……。
完全にUTMのために生まれた曲……。
ありがとう、あるるかんさん……。