記憶喪失しま(エナガ)

乙女ゲームの感想とか色々

殺し屋とストロベリー Plus 感想

※ネタバレあり

タイトルの響きが好きなのと主人公のビジュアルがめちゃめちゃタイプすぎてずっと気になってたんですが、何故か買ってなかったので、Switch移植嬉しかったです。
ありがとう、ブロッコリーくん……。


🍓主人公
イチゴ(偽名)
スマホで筆談する乙女ゲー主人公はたぶんイチゴちゃんだけ。
見た目がタイプすぎてビビる。
めちゃめちゃ好みです。
イチゴのために殺ストを買ったと言っても過言ではないのですが、ここでイチゴの単体スチルいる?というタイミングでイチゴの単体スチルが大量に出てくるので、制作者側もイチゴを推してる空気を感じて、たまに真顔にはなった。

イチゴは乙女ゲームの主人公というよりも登場人物のひとりという感じで、バスタフェみたいな感じのポジションの主人公にしたかったという想いを感じるのですが、上手く説明できないけど、そういう感じの主人公でもなかった気がする。
ヒロイン単体というよりも、攻略対象×ヒロインのスチルを見たいので、そっちをお願いしますと思っていたら、ほとんどのスチルが攻略対象×イチゴだったので、それは嬉しかったです。

イチゴのビジュアルは可愛いけど、可愛い!が全面にくる感じではなく、可愛いけど可哀想な感じ。
ヒイロノカケラの沙弥が好きな人はイチゴも好きそう。
イチゴの立ち絵はないけど、代わりにあるスマホの立ち絵(?)が斬新で笑った。


🍓キャラ別感想(プレイ順)

・ツキミ
イチゴがツキミを好きになったのは、ヤバい施設から保護してくれて優しくしてくれたからということでギリギリ納得できる(作中でも指摘されてるけど、それでもストックホルム感はある)のですが、ツキミがイチゴを好きになった理由が謎。
はっきり恋に落ちた瞬間はここですと説明してくれて、その瞬間のことは分かるのですが、それ以前が謎。
分かるようで分からないような???

ツキミがイチゴに恋愛感情っぽいものを持ちだした経緯がよく分からないせいで、ふたりの年齢差がまあまああるから、ツキミがロリコンぽく見えてたまにしんどかった。
でもそれ以上に、会話らしい会話をしてないのにいつの間にかイチゴを好きになってて、ツキミと良い感じだと知ると一時的に態度が悪くなったアモンの方があれ。
アモンがあれな反動でツキミのロリコン(仮)は些細なことのように感じられたのは良かった。
ありがとうアモン……。


・イヅナ
ツキミルートで恋愛過程が分かるようで分からないようで分かる……???みたいな感じだったのですが、イヅナもそれに近い。
ツキミの時もそうでしたが、本編では声が出ないまま終わったイチゴが後日談で声が出てて、謎のショックを受けた。
スペシャルエーの芽とか、たまに喋るけど基本は筆談の女子が好きなので、イチゴが完全に喋るようになったことは良いことのはずなのに素直に喜べないんですが……。
イチゴは基本筆談なので、ある意味フルボイスみたいなところがあったのですが(?)、それも崩壊して私に謎のダメージ。
イヅナ本編最後のアモンの屋上からのあれに、そうなった過程も理由もいまいち謎なのに何故かときめいてしまった。


・アモン
ツキミルートで突然イチゴを好きになっていて、なんだこいつ???見た目だけで選んでるんか……?と思っていたアモンですが、自分のルートではイチゴに惹かれたきっかけっぽい場所が結構明確にあって良かったです。
でも、ツキミルートのアモンを批判してるけど、私もイチゴの見た目に釣られてこのゲームを買った人間なので完全にブーメラン。
私はアモンだったということ。???

外出できないイチゴを外に連れていくための条件として、武器を持たずに外部との連絡も取れないようにすることと言われたアモンが、いつ殺されるか分からない身で武器を持たないのは厳しい条件のはずなのに、「それだけでいいなら、全然OKです」と言ったのが特大の愛……。
アモンはイチゴに好意的なので優しく見えるけど、一般社会の中では別に優しい人ではなくて、誰であっても殺せるような人なのに、少しずつイチゴへの気持ちが同情から愛へ変わっていくのが良かった。

あと、このルートの何が良かったかというと、イチゴからアモンへの暗くて重い特大の愛。
どこか壊れているふたりがお互いに依存していく流れも好きすぎたし、アモンと一緒にいられる時間なら、それがアモンが人を殺す瞬間であっても良いというイチゴの激重台詞が好きすぎる……。

そして、後日談が最高すぎた。
ツキミ、イヅナは本編との補完的なところはあるけど、最後は普通にハッピーな終わりだったのに、アモンはもはや後日談も本編で、このルートではイチゴの声が戻らないままなのですが、その理由が最高。
アモンルートのイチゴ、タクヨーさんのスイクラとか月影のヒロイン的な重さを求めている人におすすめすぎるんですが……。

個人的にアモンルートがすごすぎて、この時点で殺スト買って良かった~完~という気持ちになりました。
これは本当にすごい……。
ありがとうブロッコリーさん……。


・長谷川
ここにきて初めて白川がロン毛なことに気付いてビビった。

長谷川ルートは時々スチルがコラージュ(?)だったり、NHKみたいな回想(?)になったりと、演出が凝っていました。

長谷川が突然、台詞の最初に頻繁に「ま」を付けるようになって、これはこういう風に演技してるんだなと思っていたら、本当にそういう口癖にいつの間にかなってしまっていたぽくて笑った。
でも、後日談ではその口癖は死んでいた……。
どういうことなんですか……???

長谷川の性格と口調が三段階くらい変化したり、何が起こっているのかよく分からなくて混乱しているうちにハッピーエンドになっていて私は困惑したまま終わってしまいました……。
長谷川の後日談で明確なイチゴの正体バレがあるので、長谷川後日談は最後の方に見た方が良いかも。


・クラマ
このルート、序盤から確信に迫る内容なので、最後の方にプレイした方が良い気がします。
攻略制限かけといた方が良いレベル。

クラマのこと、勝手にマッドサイエンティスト系かと思っていたら、普通に優しくてビビる。
優しすぎて普通の幸せを求めそうになるんですが……。

クラマとイチゴの静かにお互いの心を知っていく感じがすごく良かった。
何か特別なことがあるわけではないけど、閉鎖的な空間で、消毒液のにおいがする場所で、同じ時間の中に一緒にいて、手探りながらも交流していくふたりの空気が好き。

好きになったきっかけとか、ここでこういうことがあったから好きになったとか、好意を抱くことに私は理由を求めていた気がするけど、人を好きになるのに理由なんていらなくて、ふたりで過ごした時間の中で芽生える気持ちがあるって、クラマ×イチゴが教えてくれた。

ツキミ・イヅナ・長谷川の時は、イチゴの声が出るようになったら、またこの流れか……陳腐……とか思っていたんですが、クラマルートでイチゴが声を出したい(けど、出てほしくないという気持ちの揺れも良かった!)と思うようになって、クラマも読唇術を勉強するという流れがめちゃめちゃ良かった!
告白シーンも良すぎた……。

何が悲しいわけでもないけど、このルート気が付いたら泣いてた。
ただ、最後のキスシーンはめちゃめちゃ個人的にですがいらなかった気がするし、ラストのシルバニアどーん!はたぶん感動シーンなんですが、ちょっと笑った。


・ノイン
あだ名が【ノイさん】で、土井さんみたいなアクセントで呼ばれていたので、なんか日本感ある……と思っていたけど、よく考えたら殺ストは日本が舞台だった。

恋愛過程はいまいち分からないけど、ノイン←←←←イチゴ、みたいな状態は可愛かった。
ノインのイチゴへの態度が、精神的にしんどくなってる人にするものじゃなくてちょっと……と思ってたけど、お出かけイベント前後から怒涛の萌え。

ノインはバッド(?)がめちゃめちゃ良くて、最後の演出が良すぎてビビった。
なんとなくぼかすんだろうなと思っていたことが、あんな形で明らかになる流れがすごい。
もはやこれの後日談が見たかった。

でも、ハッピーエンドの方は、これがハッピー扱いになるのもよく分かる。
ノインルートでタイトル回収したり、ノインのハッピー&バッドはノイン×イチゴのスチルを複数使いしたり、バッドの内容が充実してたり、ノインだけエンド曲がフルで流れたり(他の人は1番だけ)、エンド曲の綺麗だねのところが1人だけホワイトアウトだったり、すごい優遇されてて謎に嫉妬した。


🍓1周年SSを令和4年にファミプリで出してくれたブロッコリーさんが天才だという話

殺スト1周年の時に受注でSS本(&その他グッズ)が出てたと知って、もっと早く殺ストやっとけば良かった……と思っていたら、ブロッコリーさんが1周年本のSS&2018バレンタイン・ホワイトデーメセカ(メセカの方は公式HPに載ってるテキストと同じ内容)をファミプリで出してくれたので感謝しまくりでした。
ありがとうブロッコリー様……🥦
後から嵌まった人にも優しくて好き。

アモンはまさかのあの時の話でビビった。
コンビニでプリントして良い内容ではない。
警察に見つかったら逮捕されそう🚓
でも、アモンからイチゴへの最大級の愛を感じる内容で最高でした……。
アモンはこういうことでしかイチゴを守れないと思っているのも良かったし、〆方が一見平凡ぽく見えてそうじゃないのが良……。
すごく愛を感じた。

他の人は月影ができるきっかけになった出来事だったり、本編であの人の心に残り続けている傷のことだったり、かなり重要なシナリオばかりで、もはや本編でした。
ゲーム内に入れて良いレベル。
SSの質がかなり良かったので、常にファミプリに置いておいて、全人類がいつでも印刷できる環境にしておいてほしい。


🍓まとめ

後日談を含めて1人3時間くらいで終わる殺スト。
短めなプレイ時間ですが、疲れた現代社会にはこのサクサク感が逆に良いかもしれない。
平日に仕事が終わってからゲームしようと思ったら、メンタルによってゲームをする体力がない時があるのですが、1人3時間くらいで終わることが分かっていて攻略も簡単なノベルゲーだと、ちょっとだけやろうかなという気持ちになるし、ほぼ何も考えずにプレイできるので、私はこういうサクサクゲーも必要だし好きです。

だいたいの流れは全員同じで、この後はこういうイベントが起きるなと予測できてしまうところはありますが、同じ流れでもキャラによって対応が違うので、すごくダレるということはなかったです。
ただ、恋愛過程とか心の動きがルートによってよく分からなかったのが残念。
展開が突然に感じることもキャラによってはあった。
キャラによって、シナリオの出来に差がある気がする。
すごい個人的にですが、アモン・クラマのシナリオは丁寧だった印象です。
あと、ノインの後日談も良かった。

バッドの内容がノイン以外全員同じような感じで、特に目新しい感じもなく、何故か高確率でイチゴの単体スチルが出て終わっていたのがちょっと残念でした。
もっと、攻略キャラ×イチゴ感のある、心に残り続けるバッドが見たかった。
でも、ノインのバッド(?)は良かったのでおすすめです。

基本的には喫茶店内(月影(拠点)のビル内)でストーリーが進行していくので、分かりやすい殺し屋要素は少なめですが、イチゴのポジションではこれくらいの情報しか入ってこないというのも分かるので、その辺りは特に何も思わなかったけど、アーメンノワールみたいな常に殺すか殺されるかみたいな殺し屋要素を期待していると肩透かしかも。
殺し屋要素を求めている人には1周年SSをおすすめしたいけど、期間限定のものだったのでおすすめしにくい……。

殺ストは本編だけでは正直消化不良なところがあって、プラス(Switch版)で追加された後日談を含めてシナリオが完成されているところがあるので、今からプレイする人は絶対にSwitch版をプレイしてください。
Vita版しかプレイしてなかったら、これで終わり?となるところがあるので。
もはや本編な後日談のシナリオの質が良いので、後日談を見るとFDがほしいという気持ちになります。

イチゴはハッピーエンド後、攻略キャラに頼る生活をすることになるパターンが多いのですが、攻略キャラの死後、イチゴがひとりで生きていくためにどうするか?とか、結構しんどいところに踏み込んでいるシナリオもあって、そういう妙に現実的な要素を組み込んでくるところが好きでした。

個人的な感想ですが、アモンルートのアモン×イチゴが最高だったのでみんなに見てほしいです。
他ルートのアモンはちょっと苦手というか、しんどいなと思うことが多くて、そこも良いとは思ったけど(ノインルートのアモンが胃痛レベルでしんどかった)、やっぱり自分のルートが一番輝いてた。
アモンルートはアモンも良いけど、イチゴが良すぎる。
他ルートを見ると、アモンルートはこれで本当に幸せなのか?という疑問は出てくるけど、どこにいても、何をしていても、ふたりが一緒なら幸せだということ……それはまわりの人にどう思われていても関係ない、という強い気持ちを見せてくれて感動した。

クラマ×イチゴの静かに深めていく愛も好きだったので、光を求めている人にはこっちのCPをおすすめします。

OPもすごく好きなのですが、主人公視点の歌詞なのが珍しくて良い。
イチゴっぽい、静かに問いかける感じのメロディーが好き。

EDは何が幸せかは自分で決めるという感じのイチゴの静かな決意っぽくて、これも好きです。
特に
「あなたを秘(かく)してしまう夜明けならいらない」
が、(ほぼ全ルートの)イチゴが攻略キャラに対して思っていることの全てで、すごく心に響く。

またアモン×イチゴのテキストが読みたいので、ブロッコリーさん展開お願いします🙏